防水機能

ウェアラブルコンピューターで見られる防水機能

使用用途によっては、防水機能は必須

ウェアラブルコンピューターは、常に身に付けて使用するため、水がかかって濡れる可能性が高いです。そのため、使用用途によっては防水機能が必須です。

特に雨の中や水回りで使用する場合は、防水機能に対応していないと、故障してしまうリスクが高くなります。水がかかるような場所では使用しない、または水に濡れないよう気をつけて使用するなら、防水機能に非対応でも問題ありません。

判断の目安になるのは、防水等級

ウェアラブルコンピューターは、あらゆる場所で使われるため、防水機能に対応している製品が多いですが、中には非対応の製品もあるため、防水機能が必要であれば、仕様等を見て対応しているか確認しておいた方が良いです。

さらに、防水等級も確認しておいた方が良いです。防水機能に対応していると言っても、水がかかる程度まで大丈夫なのか、水に沈めてても大丈夫なのか、製品によって異なりますが、どの程度まで防水可能なのか判断できる目安になるのが防水等級です。

製品によっては目立つところに生活防水、または完全防水と記載している場合がありますが、これらの用語の定義はメーカーごとに異なりますので、防水等級を確認する事が重要です。

防水等級の見方

防水等級の表示方法

防水等級は、IEC(国際電気標準会議)が定める防水・防塵の保護規格によって表されます。IP(International Protection)の後ろに2つの数字を並べ、1つ目の数字が防塵等級、2つ目の数字が防水等級です。例えば、IP57 なら防塵等級が5、防水等級が7となります。また、どちらかの一方の等級のみ表す場合は、表さない方はXとなります。先の例で防水等級7のみを表すなら、IPX7となります。

以下は、各防水等級の定義一覧です。

防水等級0
水に対して無保護。
防水等級1
鉛直に落下する水滴によっても有害な影響を及ぼしてはならない。
防水等級2
外郭が鉛直に対して両側に15度以内で傾斜したとき、鉛直に落下する水滴によっても有害な影響を及ぼしてはならない。
防水等級3
鉛直から両側に60度までの角度で噴霧した水によっても有害な影響を及ぼしてはならない。
防水等級4
あらゆる方向からの水の飛まつによっても有害な影響を及ぼしてはならない。
防水等級5
あらゆる方向からのノズルによる噴流水によっても有害な影響を及ぼしてはならない。
防水等級6
あらゆる方向からのノズルによる強力なジェット噴流水によっても有害な影響を及ぼしてはならない。
防水等級7
規定の圧力及び時間で外郭を一時的に水中に沈めたとき、有害な影響を生じる量の水の浸入があってはならない。
防水等級8
関係者間で取り決めた数字7より厳しい条件下で外郭を継続的に水中に沈めたとき、有害な影響を生じる量の水の浸入があってはならい。

防水等級に関しては、外部から水がかかる場合と、水没する場合に分けて、防水等級が表されます。外部から水がかかる場合の防水等級の範囲は0~6、水没する場合は7~8となります。

例えば、防水等級5と7に当てはまる製品は、IPX5,IPX7となります。製品によってはIPX7、またはIPX8のみの場合がありますが、この場合はIPX5にも当てはまる可能性が高いです。水没しても問題ないくらいですので、少なくともIPX4には当てはまります。IPX6に当てはまるためには、かなり勢いの強い噴流に耐えなければなりませんので、水没して問題ない製品でも、耐えられる、すなわちIPX6とは限りません。

防水等級の定義は曖昧

防水等級の定義は曖昧なところがありますので、メーカーが仕様等に記載している具体的な防水機能の情報も確認した方が良いです。

特に、水没する場合は、何m(メートル)まで沈めて問題ないのか、どのくらいの時間まで沈めた状態で使用できるのか、防水等級からはわかりませんので、仕様等を見て確認する必要があります。

使用用途と必要な防水等級

ウェアラブルコンピューターを、常に身に付けて日常利用の範囲で使用するなら、最低でもIPX4は必要です。IPX4であれば、雨や水しぶきがかかる程度なら耐えられます。さらにIPX5,IPX7であれば、水回りでも安心して使えますし、浅くて水流が無く、常温の真水であれば、水没してしまっても故障の心配がありません。

ウェアラブルコンピューターを水中で使用するなら、IPX8である必要があります。さらに使用用途によっては、防水等級だけでなく、どのような水中環境で使用できるのか、仕様等を見て確認する必要があります。なぜなら、防水等級の定義に出てくる水は、常温の真水だからです。

例えば、海で使用するなら水深はもちろん海水でも問題ないのか確認が必要です。お風呂や温泉で使用するなら、防水可能な水温の範囲の確認も必要です。


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