ウェアラブルコンピューターの問題点

ウェアラブルコンピューターの問題は山積み

ウェアラブルコンピューターには、様々な技術的な問題がありますが、法的な問題も多いです。技術的な問題に関しては、研究開発が進むにつれて解決していくでしょうが、法的な問題に関しては解決が難しく、法的整備がなかなか進まない恐れがあります。

以下は、ウェアラブルコンピューターに関わる主な問題点です。特に法的な問題は、ウェアラブルコンピューターの正しい使い方に関わってくるため、知っておいた方が良いです。

技術的な問題点

消費電力量の問題

ウェアラブルコンピューターは、バッテリーで動作しますので、定期的に充電が必要になります。次の充電まで使える時間が長いほど便利になるため、消費電力量を減らす事が求められます。

バッテリー容量を大きくする手がありますが、小型化と軽量化が重視されるウェアラブルコンピューターでは難しいです。実現が困難なほど、消費電力量は問題にはなっていませんが、週間単位、さらには月単位バッテリーが持つ事が求められますので、プロセッサー等の部品の消費電力量の削減は、解決が必要な課題です。

耐久性の問題

ウェアラブルコンピューターは、外部からの衝撃や、水とホコリ等にさらされやすいです。どれも精密機器にとって故障の原因になるものです。

耐久性を高くしようとすると、サイズの増大、重量の増加につながり、身に付けられるコンピューターとしてはデメリットになりますので、できるだけ小型で軽くし、耐久性を高くする事が求められます。

ウェアラブルコンピューターは発展途上であり、中には耐久性に問題が無いとは言えない製品が出てくると思われるため、ユーザーに普及していく内に、耐久性の問題が表れてくる可能性が高いです。

セキュリティの問題

ウェアラブルコンピューターは、身に付けて使用するため、扱う情報も使用者に近くなりますので、その情報を悪用されるセキュリティ問題が起きる可能性があります。

例えば、あくまで想像上の話ですが、スマートグラスが乗っ取られ、位置情報や撮影している映像等が漏れてしまうと、犯罪に利用される恐れがあります。

ウェアラブルコンピューターは、基本的に周囲の機器とデータをやり取りして使用するため、データを保管して管理するコンピューターも狙われる恐れがあります。

そのため、ウェアラブルコンピューターを安心して使うためには、強固なセキュリティ対策が求められます。

法的な問題点

プライバシーの問題

撮影機能付きのウェアラブルコンピューターは、プライバシーの問題が生じます。プライバシーの侵害が成立する要件から、問題となるかどうか判断できれば良いのですが、法的な専門機関や専門家の間でも、判断が分かれてしまう場合があります。

実際は撮影していなくてプライバシーの侵害が成立していなくても、撮影されていると認識した人とトラブルが発生する可能性があります。

また、撮影対象者から許可をもらい、プライバシーの問題はないと判断し、撮影した映像や画像をインターネット上に公開して、そこから思わぬトラブルが発生する可能性もあります。例えば、映像の一部に、他人に見られたくないものを映されてしまった人がいて、その人と法的なトラブルにまで発展する恐れがあります。

インターネット上の炎上問題

ウェアラブルコンピューターの中には、ソーシャル・ネットワーキング・サービス(SNS)等のインターネット上のサイトへデータをアップロードする機能があります。例えば、自分の様々な活動量を SNS にアップロードして、今日一日どのような活動をしてきたのか他の人と共有したりできます。

しかし、人によっては他人に知られたくない情報もありますので、アップロードするか否か、もしくはアップロードした情報を公開するか非公開にするか選択して決める必要がありますが、気づかぬうちにアップロードして公開してしまうかもしれません。また、アップロード時は特に問題ないと判断しても、アップロード後に何らかの問題に発展してしまう可能性があります。

さらに、インターネット上で多くのユーザーの注目が集まってしまうと、炎上問題にまで発展する恐れがあります。情報の内容によっては、法的措置を含めた対応にまで発展する可能性があります。

このような問題は、ウェアラブルコンピューターの使用者側の問題として扱われるでしょうが、世論によっては問題を防止するためにウェアラブルコンピューターがアップロード可能な情報の内容に、一部規制が入るかもしれません。

犯罪への利用問題

ウェアラブルコンピューターに限らず、便利なものが出れば、それを悪用する人が出てきます。例えば、スマートグラスであれば、盗撮に使われる可能性があります。

周囲が悪用しているのを気づければ良いのですが、身に付けているのかわかりにくいウェアラブルコンピューターもありますので、使う側のモラルが問われます。

ながら使用による安全上の問題

ウェアラブルコンピューターは、何か別の事をしながら使えるため、その別の事に対し、安全上の問題が生じないか懸念されています。例えば、ナビとして使えるスマートグラスを車の運転中に使うと、カーナビの代わりになりますが、運転に集中できなくなり、交通事故を引き起こす恐れがあります。

他に、工事現場でスマートグラスに作業内容等を表示して作業する使い方がありますが、作業に支障をきたし事故につながる恐れがあります。

このような問題を解決するために、法的な整備が行われるでしょうが、結局は使う側次第ですので、規制されているにも関わらず、何かをしながらウェアラブルコンピューターを使ったために起きてしまった事故が、世間を騒がすかもしれません。

人体への影響問題

ウェアラブルコンピューターは、より人体に密接するため、人体への影響が懸念されています。特に人体に埋め込むようなものだと、体内で異物と認識され、人体に悪影響を及ぼす恐れがあります。悪影響が無くても、人間の尊厳を犯す可能性があります。

スマートグラス等、人体に密着させるものであれば安全なように思われますが、スマートグラスであれば目に悪影響を及ぼし、視力低下等を引き起こすかもしれません。

人体に何か悪影響を及ぼす前に法的な規制で防げれば良いのですが、明らかにすぐわかるような悪影響じゃないと、法的な規制が行われずに普及が進んでしまい、結果として多くの人に悪影響が出てしまう恐れがあります。


公開日:
最終更新日:2014/05/16

記事はありませんでした

→もっと見る

PAGE TOP ↑